美術品はとてもデリケート
近年我々を取り巻く環境は、炭酸ガス(二酸化炭素)やメタンガスによる地球温暖化やオゾン層の破壊、さらに自動車の排気ガスによる窒素酸化物の発生や重金属類の飛散など益々悪化の傾向にあると考えられます。さらに日本の高温多湿な気候と併せて考えた場合、美術品の保護・保存という観点から決して良好な環境ではありません。まして周囲の環境の変化に影響を受けやすい美術品や歴史的資料を良好な状態で末永く維持保存するためには無防備といわざるを得ず、後々作品に深刻なダメージを与えることにもなりかねません。
そんな時「レフレム」がお役に立ちます。
レフレムは、絵画、書、版画等の美術品や貴重な資料をフィルムで包み、気密状態にすることにより、気密室の内部を保存に適した状態に維持することができます。この状態で害虫の侵入を阻止し、汚れた空気、ホコリ、チリ、タバコのヤニなど周囲の環境から隔離できます。また、急激な気候変化による気圧や湿度の変化にも順応し、安全な状態で保持できる気密式額縁です。
気密式保存額縁「レフレム」
貴重な資料(絵画等)を気密性の高いフィルムで包み気密状態にして害虫や汚れた空気、ホコリ、塵、タバコのヤニ、料理の油等から保護・保存するために生まれた新しいタイプの「気密式額縁」です。(特許出願中)
レフレムの特徴
- ① 保護板にフィルムを取り付けた軽量設計
- ② 出し入れは簡単。密閉は作品を入れてフィルムをシールするだけ
- ③ 保護板にフィルムを取り付けた単純設計
【利用例】
Ⅰ レフレムの効果
- 防虫剤不要、虫の繁殖も抑える
- 気圧変動にも対応、航空機輸送での貸借も安心
- 脱酸素剤により酸化劣化を防ぐ
Ⅱ こんな環境でも安心
- 海岸近くでも塩害から守ります
- 硫化水素(山間部)から守ります
- 河川の水害から守ります
- 日常空間(埃、煙草、排ガス)から守ります
Ⅲ 使いやすい構造
- 軽量設計、額縁全体の重さと変わらない
- 既存の額が使えます
- 再利用が可能です
- 長期間安定した気密状態を保ちます
- 同じサイズなら他の作品の収容も可能です
- 出し入れが簡単です
レフレム仕様
使用保護板 | ・アクリル板(普通アクリル板、UVカットアクリル、低反射UVカットアクリル等 例:日本油脂低反射FN78UV) ・ガラス(普通ガラス、低反射ガラス 例:ミロガード) |
---|---|
使用フィルム | セラミック蒸着系透明フィルム(三菱化学製ガスバリアフイルム エスカル) 酸素透過度 0.05ml / ㎡・day・atm 水蒸気透過度 0.01mg / ㎡・day・atm |
構造 | 保護板の周囲にフィルムを取り付けた簡単な構造です。保護板とフィルムで形成される空間に作品を入れ、使用状況により超湿紙や脱酸素剤を入れてフィルム上部を熱シールして密閉状態とし額縁にセットします。 |
耐久性 | 使用状況により異なりますが、10年以上と考えております。 フィルム 10年以上でも特に劣化は無いとの事です。(多少変色する場合あり) 保護板 アクリル板の場合は10年で変形が考えられます。ガラス板の場合は現時点では特に問題はありませんが、重量が重く額のサイズが大きくなりますと補強が必要な場合が生じます。 |
レフレム使用目的
- 長期保管および貸し出し用(海外向け)
密閉方法は熱シールを利用(シール部分をカットするため複数回利用) - 短期貸し出し用(国内)
密閉方法はテープにて行う(簡易密閉)何回も利用可能
保護板の使用について
- ガラス板、アクリル板、ポリカーボネイト板、各種低反射UVカット板の使用が可能です。
- 原則として保護板の大きさの限度まで制作可能です。板の厚さについては限度はありません。
- 既存の額の保護板にも取り付け可能です。
ご利用状況(美術館・史料館)
- 神奈川県立美術館
- 静岡県立美術館
- 岐阜県美術館
- 東京都写真美術館
- ポーラ美術館
- 東京芸術大学
- うらわ美術館
- 野田市立中央小学校教育史料館及び企業美術館
「レフレムパック」(各種美術品の長期保存袋)
レフレムパックは、各種美術品、紙資料、写真等を害虫、汚れ、カビから守り、長期保存が可能な保存袋です。
近年、地球温暖化が叫ばれる中、河川の氾濫や洪水、冠水の水害で美術館や博物館にも甚大な被害を及ぼしています。その為、この密閉袋「レフレムパック」のニーズが高まっています。ただし、弊社の模倣品や類似品も流通しており、弊社では、改善、コストダウンを図りながら使いやすさをアピールし、新製品の開発に取り組んでおります。
エスカルとは?
「レフレムパック」は、三菱ガス化学製の特殊フィルム(セラミック蒸着系透明フィルム~エスカル~)を使用しており、”エスカル”とは金属箔に匹敵するガスバリアー性があります。現在、最高品質といわれており、国内外の美術館、博物館などで数多く使用されています。
レフレムパックの特徴
- ① 脱酸素剤を使用して無酸素殺虫が可能です。
- ② 調湿剤を使用して長期間(4~10年)の保存が可能です。
構造
- 軽量で簡単な構造です。従来の保存方法より安価です。
- 家庭用熱シーラー、またはクリップを使用することにより簡単に密閉することが可能です。
利用目的
※現在、史料等の保存に美術館や史料館で約1,000点のレフレムパックが使用されています。
- 書画、版画、掛け軸、古文書、重要書類
- 写真(フィルム、印画紙)
- 貴金属、布、工芸品
レフレムパック価格表
(※税抜き、送料別途)
シートのサイズ(縦+横) | 価格(単価) |
---|---|
600mm | 1,000円 |
700mm | 1,300円 |
800mm | 1,800円 |
900mm | 2,200円 |
1.0m(1000mm) | 2,800円 |
1.2m(1200mm) | 3,800円 |
1.4m(1400mm) | 5,000円 |
1.6m(1600mm) | 6,400円 |
1.8m(1800mm) | 8,000円 |
2.0m(2000mm) | 9,500円 |
- ① 上記密閉袋のシールはクリップにて行います。
- ② 上記寸法には綴じ代、クリップ代は含まれていません。
- ③ 一片が1m以上の密閉袋はシートに繋ぎが入ります。
- ④ クリップは最長2mです。
- ⑤ 尚、大量のレムレムパックをご利用の場合、又は上記寸法以上のレフレムパックを必要とされる場合は別途お見積もりいたします。
【写真:作品をレフレムパックに入れて保存した場合の一例】
商品はオーダーメイドですが、個々の作品に合わせたサイズで別途お見積もりさせていただきます。